グループディスカッションで討議に参加するのは大変エネルギーがいるし、ストレスが伴う。
討議メンバーの皆さん、本当にお疲れ様である。
GDコンサルタントのG.D.佐藤(ジー・ディー・さとう)です。
しかし正直に言おう。
グループディスカッションを実施する側も、結構労力を使うのだ。
予めディスカッションに適した会場も用意する必要があるし、ディスカッションのテーマを考えるのも手間がかかる。グループディスカッションを観察するのも神経を使う。特にランチ後にだらだらとつまらないディスカッションを聞くのは相当しんどい。
にもかかわらず、就活や昇進・昇格試験の場でしばしば実施されるグループディスカッション。このクソ忙しい現代社会で、そんな手間暇をかけてまでグループディスカッションが行われる目的は何だろうか?
グループディスカッションの目的とは?
こう問われたら、クールで現実的な君なら、すかさず「人材選抜」と答えるだろう。その通り。グループディスカッションの目的は人材のセレクションである。採用にしろ昇進・昇格にしろ、全ての人材を登用できるなら問題ないが、残念ながら人材登用の枠には限りがある。供給量に対して需要が多ければ、何らかの方法で人材をふるいにかける必要がある。
その手段の一つがグループディスカッションである。候補者を集めてグループディスカッションをやらせれば、候補者それぞれの対人コミュケーション力や集団影響力、論理的思考力といったビジネススキルが評価できるし、候補者同士の相対比較もしやすくなる。
そういう意味では、グループディスカッションは生き残りをかけたサバイバルゲームと考えることができる。能力を発揮できない者は容赦なく切り捨てられる。世の中は常にシビアだ。
もう一つ目的がある。
善良なお人好しの君なら、すかさず「能力開発」と答えてほしい。グループディスカッションは、討議メンバーの育成という目的で実施されることもあるのだ。
新入社員研修や、昇進・昇格後の管理職を対象にした研修などで実施されるグループディスカッションは、育成色が強く出る。討議メンバーは、グループディスカッションを通して、自分自身の能力を振り返り、強みや弱みを認識する。強みはより強化し、弱みは補強することで、自身の成長を図る良い機会となるだろう。
もちろん、人材選抜と能力開発両方の目的を兼ねる場合もあるし、それ以外の目的でグループディスカッションが実施されることもある。