グループディスカッションで具体的なビジネス知識を発言に盛り込むと、高い存在感を発揮することができる。
討議メンバーの皆さん、こんにちは。
GDコンサルタントのG.D.佐藤(ジー・ディー・さとう)です。
自分の経験や抽象論、一般論を語ることはできても、テーマに基づいて具体的なビジネス知識を披露できる人はあまりいない。
たとえば、企業の不祥事対応について議論されているときに、
「不祥事が発覚したときにはすぐに公表すべきだ」
「対応の遅れが企業にとって致命的になるリスクがある」
「私の職場では、こういうルールになっている」
といったようなレベルであれば、誰でも発言できる。
ではこちらはどうだろうか?
「不祥事の際に、迅速に顧客対応することで信頼向上につながることもあります。たとえば、ジョンソンエンドジョンソン社は、自社のタイレノールという頭痛薬で死者が出た際に、ただちにメディアを通じて製品の使用中止を呼びかけ、その後も逐次状況を報告し続けることで、消費者信頼回復につなげました」
さきほどの例よりも、ぐっと説得力が増したのではないだろうか。
前の3つの発言は、一般論や経験論の域を出ていないが、後者の発言には、他社の具体的なエピソードが加えられている。具体例を提示することで、発言者の意見を裏付けているのだ。
こういう発言をすると、聞き手に「お、彼はしっかり勉強しているな」「ビジネス知識が豊富だな」と印象付けることができる。
こういう発言ができるようになるためには、テーマに応じて具体例を提示できるだけのビジネス知識を蓄えておかなければならない。日頃から新聞やニュースサイトに目を通したり、継続的に読書する習慣をつけたりするなど、ビジネス知識を蓄積するために自分なりのアンテナを張っておく必要がある。
幅広いビジネス知識があれば、他の討議メンバーの発言に対しても的確なレスポンスができるようになる。
討議メンバーにはぜひ幅広いビジネス知識をつけてもらいたい。