限られた時間内に結論を出す必要があるグループディスカッションでは、ついつい意見をまとめ方や収束の仕方について意識が向いてしまうもの。
しかし、収束一辺倒ではグループディスカッション全体の評価は良くならない。「収束」の前段階として「発散」がある。そんなメリハリの効いたディスカッションが、高い評価を得ることが多いのだ。
そこでここでは、メンバーの個性的な意見を引き出し、議論の幅を効果的広げる発散的思考法「ブレインストーミング」について説明しよう。
ブレインストーミングとは、解決策を発見するために、自由に連想しながら思考を発展的に広げていく方法である。要は思いついたアイデアをどんどん発散させて、その中から良いものをピックアップしましょうよということである。
ブレインストーミングをうまく進めるにはコツがある。具体的には、以下の4つのルールを守りながら進めると良いだろう。
「今いち実現性に欠けるなあ」
「そのアイデアはもう実現してますよね」
といった他人が出したアイデアに対する批判はしないほうがいい。批判された相手どころか、グループ全体が萎縮して、自由なアイデアがでなくなってしまうからだ。アイデアを批判するのは後工程の収束段階で十分である。
ブレインストーミングでは、現実の規制や常識など、あらゆる制約条件にしばられることなく自由にアイデアを出していくことがポイントとなる。「現実感」という観念は時として新しいアイデアを生み出す妨げになるものなのだ。妄想でも構わない。たくましくアイデアを発信してほしい。
ブレインストーミングでは、アイデアをブラッシュアップするよりも、アイデアを出し尽くすことが重視される。とにかく思いついたことをどんどん吐き出して、量をこなすのである。豆をまくようにアイデアを大量放出してほしい。量を質へと転換する作業はその後で十分だ。
普段は許されないようなこともブレインストーミングでは許される。他人のアイデアを拝借し、そこから新しいアイデアへと発展させたり、アイデアとアイデアを結合させたりすることも自由にやっていい。みんなの知恵をフル活用し、融合させて付加価値を高めていくのがブレインストーミングの利点なのだ。
ただし、ブレインストーミングをする際には、メンバー全員がブレインストーミングをするということを確認し、意識を共有した上で進めることが重要だ。
発散だか収束だかわからないような中途半端なブレインストーミングになるなら、やめておいたがほうがいいかもしれない。